チャットボットとは?種類や効果・メリットと導入手順を解説

2021.01.15
#チャットボット #マーケビギナー

チャットボットとは、「対話(chat)」と「ロボット(bot)」という言葉を組み合わせたもので、ユーザーからの質問にチャット形式で自動返答するコミュニケーションツールのことです。

現在では、さまざまなビジネスシーンにおいてチャットボットが使われており、中でもECサイトやWebサイトの問い合わせ対応などでの活用が広がっています。

本記事では、チャットボットの仕組み、歴史と現在、さらに活用事例から導入手順までを解説します。

チャットボットについて知っておくべき基礎知識

チャットボットとはいったいどのようなツールなのか、最初に知っておきたい概要や仕組み、FAQとの違い、歴史と現在などの基礎知識を紹介します。

概要

チャットボットは「対話(chat)」と「ロボット(bot)」という言葉が名前の由来で、ロボットがチャット形式でユーザーの問い合わせに自動返答するコミュニケーションツールです。

従来は有人で対応する必要があった、ユーザーからの問い合わせ対応を自動化することで業務効率の向上を期待することができます。

また、チャット形式で質問ができる手軽さから、ユーザーの満足度向上やCVR向上にもつながる非常に便利なツールです。

仕組み

チャットボットは、AI(人工知能)を搭載しているかしていないかの違いで、大きく「AI型(FAQ型)」と「シナリオ型」の2種類に分類することができます。

AI型は、AIが自動でデータを機械学習し、ユーザーの質問に返答してくれる仕組みです。それに対してシナリオ型は、あらかじめ人の手で設定したシナリオに沿って受け答えをする仕組みです。

FAQとの違い

チャットボットとFAQシステムは、問い合わせや質問に回答するために使うものという点においては共通ですが、いったい何が違うのでしょうか。

FAQシステムは、よくある質問を効率的に管理・分析するシステムなのに対して、チャットボットは、自然な会話に近い形式でユーザーの質問に自動返答するシステムという部分が大きな違いです。

これから導入することを検討している場合は、利用したいニーズに合わせてチャットボットとFAQシステムを使い分けるのが良いでしょう。

歴史

現在では当たり前のように日常で目にする機会があるチャットボットですが、世界初のチャットボットは、「ELIZA(イライザ)」と呼ばれる自然言語処理プログラムで、1966年にマサチューセッツ工科大学で開発されました。

その後、1970年代には「PARRY」、1980年代には「jabberwacky」、1990年代には「Dr.SBAITSO」とさまざまなチャットボットが誕生しました。

2000年代に入ると「IBM Watson」や「Siri」などが誕生し、より自然な会話に近い現在の形式へと進化していったのです。

現在

近年ではAIによる機械学習の発達によって、AIを搭載したチャットボットの誕生など、チャットボットの技術は日々進化しています。

例えば「Amazon Echo」や「Google Home」といったスマートスピーカーなどの、音声チャットボットも登場しました。

このようにAIを搭載したチャットボットはもちろん、あらかじめ会話を設定しておくシナリオ型のチャットボットも年々普及が進んでいます。

チャットボットは検索エンジンのトレンドを見ても、検索数は年々右肩上がりの増加を続けており、現在注目度の高まっているツールです。

チャットボットの導入事例

チャットボットは、大手企業や役所など、さまざまなシーンで活用されているツールです。各機関はどのようにチャットボットを活用しているのか、導入事例をご紹介します。

ユニクロ

大手ファッションブランドのユニクロは、AIチャットボットサービス「UNIQLO IQ」と呼ばれるチャットボットを導入しています。

問い合わせ対応はチャットボットによる自動返信で行われており、チャットボットでは回答できないと判断された問い合わせのみ、従来通りカスタマーセンターのオペレーターに引き継がれる仕組みです。

また、LINE上でもチャットボットによる問い合わせ対応を行っています。その他には、ジャンルやユーザーの購入商品に合わせたコーディネートをレコメンドしてくれる機能など、幅広いシーンでチャットボットが活用されています。

チャットボットの導入後、問い合わせ対応においては、2018年5月時点でメールや電話からの問い合わせの半数がチャットボット経由での問い合わせとなりました。

また、対応数が前期比約2倍に向上した他、ECへの送客効果もあるとしています。

ヤマト運輸

大手運送会社ヤマト運輸は、2016年1月からLINE公式アカウントにチャットボットを導入しました。

チャットボットの導入によって、利用者は荷物の問い合わせ機能を強化しLINEのトーク画面上で、配達状況確認から受け取り日時の変更、再配達の連絡が会話をするような感覚でできるようになりました。

その他にも、同社のチャットボットでは荷物の送り方や料金に関する質問に対する返答を行うことも可能です。

ヤマト運輸では、高度なAI型のチャットボットを導入したことによって、業務効率の改善はもちろん、顧客の利便性の向上にもつながっています。

国税庁

国税庁は、2020年1月からホームページにチャットボット「ふたば」の試験導入を開始しました。同チャットボットは、税務相談の新しいチャネルとして位置づけられており、税に関する質問をAIが自動回答してくれるサービスです。

対応範囲に関して、試験段階においてはまだ「医療費控除」や「住宅ローン控除」など、年末調整と所得税の確定申告に関するものに限定されています。

国税庁がチャットボットを導入したのは、従来は窓口や電話で相談を受け付けていたものを、ユーザーがいつでも気軽に相談することができるようにすることが目的です。

現在は試験運用中のため、回答してくれる質問の範囲はそこまで広くありませんが、将来的には税務相談に欠かせないチャットボットになることが期待されています。

チャットボットの4つの種類

チャットボットはAI型(FAQ型)とシナリオ型(ルールベース型)の2つに分類できますが、さらにマーケティング支援と問い合わせ対応という2つの役割によって、合計4つの種類に分けることができます。

  • AI型(FAQ型)のマーケティング支援タイプ
  • AI型(FAQ型)の問い合わせ対応タイプ
  • シナリオ型(ルールベース型)のマーケティング支援タイプ
  • シナリオ型(ルールベース型)の問い合わせ対応タイプ

1つ目のAI型(FAQ型)のマーケティング支援タイプは、あらかじめ持っているデータやユーザーの行動・購買データなどの各種データをAIが学習し、最適な回答や商品、サービスを自動で返すことによって、コンバージョンにつなげることができます。

2つ目のAI型(FAQ型)の問い合わせ対応タイプは、過去にあった問い合わせデータなどの各種データをもとに、統計的に最適な回答を自動で返すことによって、ユーザーの疑問を解消することができます。

3つ目のシナリオ型(ルールベース型)のマーケティング支援タイプは、あらかじめシナリオライターなどが設定したシナリオをもとに、ユーザーの質問に対して複数の選択肢を提示しながら、購入までの支援やコンバージョンへの誘導を行うことができます。

4つ目のシナリオ型(ルールベース型)の問い合わせ対応タイプは、あらかじめシナリオライターなどが設定したシナリオに沿って、ユーザーに提示した複数の選択肢の中から回答を選択してもらい、知りたい情報を絞り込んでいくことで、疑問を解決することができます。

以下の記事ではチャットボットの種類とそれぞれの違いについて、より詳しく解説しています。ご興味がある方は合わせてご覧ください。

参考:チャットボットの4つの種類とは?仕組みと選び方を解説

チャットボットを導入するメリット

チャットボットを導入することによって、大きく以下の3つのメリットを期待することができます。

  • 顧客対応業務の効率化
  • 顧客体験の向上
  • CVRの改善

顧客対応業務の効率化について、よくある質問(FAQ)に対しては、定型の回答をチャットボットを通じて自動返信させることによって、従業員の顧客対応業務の負担を軽減することができます。

顧客体験の向上については、設定したシナリオに沿って、ユーザーが目的の情報にスムーズにたどり着けるようになることと、24時間365日ユーザーの好きなタイミングで気軽に問い合わせられるようになるため、顧客体験が向上します。

CVRの改善については、複雑で大量にある情報の中から、ユーザーにとって最適な情報をAIが学習しレコメンド、回答することが可能になるため、CVRの向上につながります。

以下の記事ではチャットボットのメリットについてより詳しく解説しています。ご興味がある方は合わせてご覧ください。

参考:チャットボットのメリットとは?導入の際の効果や注意点も解説

チャットボットを導入する5つのステップ

チャットボットの導入にはどのような手順が必要なのでしょうか。ここではチャットボットの導入に必要な5つのステップをご紹介します。

自社の目的を整理する

チャットボットを導入するにあたって、課題・目的を明確にしておく必要があります。

用途に応じたチャットボットを選択しないと「導入後にコールセンターの負担が増えてしまった」など、効果をうまく発揮できないケースもあるので注意が必要です。

どのような課題があり、どのチャットボットを導入すれば解決することができるのかを自社で判断することがもし難しい場合は、ベンダーに問い合わせをして相談することがおすすめです。

サービスを選択する

導入するチャットボットサービスを選択するにあたって、1番大切なことは自社の課題を解決することができるサービスであるかどうかです。

目的に合ったチャットボットサービスなのかどうかは、とても重要な判断基準になります。

目的に合ったチャットボットサービスであることが分かったら、次に機能やオプション、サポート体制、導入コストなどの項目を比較検討してください。

それ以外にも、導入するプラットフォーム(Webサイト、SNS、アプリケーションなど)に合っているかどうかも重要なポイントです。

シナリオ設計を行う

チャットボットを運用するためにはシナリオの設計が必要不可欠です。シナリオを設計するには「問いかけと回答」の準備から、シナリオを構成に落とし込む作業が必要になります。

作成する流れとしては、まず「よくあるお問い合わせ」などから想定される、質問と回答を洗い出します。次に洗い出した質問の中から最終的な回答までの流れを複数パターン想定し、シナリオの構成にまで落とし込みます。

実装・環境構築を行う

チャットボットを導入するにあたって、実装・環境構築を行う必要があります。実装・環境構築を行うにあたって、テスト環境・本番環境を構築しデータの整備を行います。

上記の準備が完了したら、実際にテスト環境で問題なくチャットボットが動作しているかのテストを行い、問題があれば必要に応じてシステムを調整します。

AI型の場合は、ハイパーパラメータのチューニングが必要になることもあります。テストでシステムに問題がないことを確認した上で、実際に本番環境に実装したら実装・環境構築は完了です。

継続的にメンテナンスを行う

チャットボットを運用するにあたっては、継続的にメンテナンスを行うことが重要になります。

実際に運用したデータをもとに効果検証を定期的に行い、離脱の多い地点やエラーなどの問題を抽出し改善を行います。

AI型チャットボットの場合、AIのチューニングを行い、シナリオ型チャットボットの場合、更新情報があれば定期的にシナリオに調整を加えます。

チャットボット選びで失敗しないためのポイント

チャットボットを選ぶ上で失敗しないためには、自社の目的に合ったチャットボットを選ぶことや費用対効果の高いチャットボットを選ぶことが大切です。

ここではチャットボットを選ぶ上で、失敗しないためのポイントをご紹介します。

目的に合う種類を選ぶ

チャットボットを選ぶ上では、目的に合ったタイプを選ぶことが大切なポイントになります。

チャットボットには、問い合わせ対応タイプやマーケティング支援タイプなどのタイプがあり、それぞれ目的に合わせて役割が異なります。

「なんとなく便利そうだから」と、目的に合わないチャットボットを選んでしまうと、費用が無駄になってしまう危険があるので、注意が必要です。

チャットボットを導入して最大限の効果を発揮するためには、自社の課題・目的を明確にした上で、本当に自社に合ったチャットボットなのかを検討することが欠かせません。

費用対効果を意識

チャットボットを選ぶ上で、失敗しないためには費用対効果をしっかりと見極めることが大切なポイントになります。

先述の通り、チャットボットにはAI型とシナリオ型の2種類があります。

AI型は、シナリオ型と比べて価格が高い分、時間を掛けてメンテナンスをすることによってより高いパフォーマンスを発揮してくれますが、使いたい目的によっては過剰投資になる場合もあります。

一方、シナリオ型のチャットボットであれば、AI型と比べて安価なものが多いので、問題なく目的に合った運用が可能であるならば、シナリオ型を選ぶ方が、より費用対効果が高いと言えます。

初期費用や月額利用料金など、サービスによって料金プランがさまざまなので、自社の課題・目的に合わせて、より高い費用対効果を実現することができるチャットボットを選びましょう。

まとめ

チャットボットを導入することによって、ユーザーの満足度向上はもちろん、コストの削減を行うこともできます。

ただ、問い合わせ対応やマーケティング支援など、チャットボットの種類によって解決できる課題が異なるので、もし導入をご検討の際は、自社の目的に合ったチャットボットを選定するようにしましょう。

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