ダイレクト・マーケティングとは?特徴やメリット・成功事例を解説

2021.01.08

「ダイレクト・マーケティング」とは、マーケティング手法の一つです。

しかし、実際にダイレクト・マーケティングとはどのような手法で、どのような特徴があるかを説明するのは難しいと感じる人も多いのではないでしょうか。

今回は、ダイレクト・マーケティングとは何か、そのメリットや注意点、成功事例について紹介します。

ダイレクト・マーケティングとは?

ダイレクト・マーケティングとは、企業がユーザー(消費者)と直接コミュニケーションを取り、商品やサービスを宣伝・販売する手法のことです。

従来、企業はユーザーを集団(マス)で捉えていました。マーケティング方法の主流は、マスメディア広告を使い、画一的な宣伝を出して販売する「マス・マーケティング」でした。

しかし、通信販売(メールオーダー)の登場をきっかけに、顧客一人ひとりに合わせた宣伝・販売方法であるダイレクト・マーケティングが誕生します。

まずは、郵便を使ってユーザーにリーチするダイレクトメール(DM)を使った方法が生まれました。

続いて、技術の進化に伴い、電話やFAX、Eメールが利用されるようになりました。現在はさらに、SNSやスマートフォンアプリも活用されています。

ユーザーと直接コミュニケーションを取れることから、ダイレクト・マーケティングには「ユーザーと双方向性のコミュニケーションが生まれやすい」、「リアクションを数値化し効果測定がしやすい」といった特徴があります。

ダイレクト・マーケティングの手法

ダイレクト・マーケティングで使われる手法は、いくつかあります。

その中でも、特によく使われるものを4つ紹介します。それぞれの特徴を知り、自社のユーザーに最もよくリーチできる方法は何か考えましょう。

ダイレクト・マーケティングの手法1|ダイレクトメール

ダイレクトメールは、チラシなどの広告物をユーザーやエリアを対象に直接送付する方法です。

送付するユーザーは、既存顧客や資料請求者、名刺交換をした相手のリストなどを活用して選定します。

ダイレクトメールの送付は印刷費や郵便料金などがかかるため、ややコストがかかる傾向があります。

しかし、一度接触したことがあるユーザーに向けて広告物を送るため、高いレスポンス率が見込める方法です。

一般社団法人日本ダイレクトメール協会が行った「DMメディア実態調査2019」によると、購入・利用経験がある企業・団体からのDMの場合、約95%の人が内容を確認しています。

また、本人宛受取DM総数のうち約16%がその広告に対して「ネットで調べた」や「店に出かけた」など、なんらかの行動を起こしています。ダイレクトメールの送付にあたり、参考になる数値です。

ダイレクト・マーケティングの手法2|テレマーケティング

電話やFAXを利用する方法です。受付業務などの、ユーザーからの連絡を待つインバウンドと、勧誘などで企業からユーザーに連絡するアウトバウンドがあります。特に高齢者層に好まれる手法です。

リアルタイムの対話が行えるため、ユーザーの生の声を聞き取りやすい、対応によっては顧客ロイヤリティも上がりやすいなどのメリットがあります。

その一方で、対応次第でクレームに発展してしまう可能性もある方法です。

クレームに発展することなく顧客ロイヤリティを上げるには、会話シナリオ(マニュアル)の作成やオペレーターの育成が不可欠です。

より良い対応ができるように、自社ではなく専門のテレマーケティング会社に外注・委託して行うケースもあります。

ダイレクト・マーケティングの手法3|Eメールマーケティング

顧客・見込み顧客にEメール(電子メール)を配信する方法です。代表的な手法として、メールマガジン、ステップメール、セグメントメールなどが挙げられます。

BtoCでよく見られたマーケティング方法ですが、最近はBtoBでも活用が進んでいます。

SNSの隆盛により個人ユーザーのメール利用率が減少した一方で、ビジネスシーンではメールを使ったコンタクトが依然として主流であり、コンタクトを取りやすいのがその主な理由です。

Eメールマーケティングは、比較的低コストで導入・運用できます。一方で、特定電子メール法などの法令を遵守する必要がある、配信回数が多いと悪印象をもたれやすいなどの注意すべき点もあります。

ダイレクト・マーケティングの手法4|SNSマーケティング

ソーシャルメディア(SNS)上に企業アカウントを作り、情報発信やプロモーション、ユーザーとのコミュニケーションを行う方法です。

主に使われるSNSは、Twitter、Facebook、Instagram、LINEの4つです。最近では、TikTokなどの新しいSNSの活用例も増加しつつあります。

SNSは双方向性が高いメディアです。ユーザーからのアプローチも受けやすくなるため、興味・関心を持つ見込み顧客も集めやすくなるでしょう。

一方で発信内容によっては、批判的な意見が殺到する「炎上」が発生するリスクもあります。慎重にユーザーとコミュニケーションを取って、信頼関係を築くことが求められる手法と言えるでしょう。

ダイレクト・マーケティングのメリット

ダイレクト・マーケティングの概要と方法に続き、そのメリットと実施にあたっての注意点を紹介します。

どの方法で、どうやってダイレクト・マーケティングに取り組んでいくかを具体的に考えるときの参考にしてください。

ダイレクト・マーケティングのメリット1|費用対効果

ダイレクト・マーケティングのメリットのひとつは、費用対効果が高いことです。

費用対効果が高くなる理由は、2つあります。ひとつは、資料請求や購入などの接点があるユーザーを対象にマーケティングを行えることです。

すでにこちらに興味・関心を持っているユーザーにアプローチできるので、好意的な結果を得やすくなります。

もうひとつは、ユーザーに合わせた媒体に広告を出せることです。

高齢者層をターゲットにするならDMで、若年層にアプローチするならSNSでというように、ユーザーに馴染みがある媒体を利用し、自然にコミュニケーションを取れるようになります。

宣伝・販売を効果的に行いたい場合、ダイレクト・マーケティングの活用を視野に入れましょう。

ダイレクト・マーケティングのメリット2|レスポンスの数値化

数値で効果測定がしやすくPDCAサイクルが回しやすいことも、ダイレクト・マーケティングの特徴のひとつです。

例えば、クーポン券をDMで、クーポンコードをEメールで配布します。それぞれの実際に使用された数をそれぞれの配布数で割れば、使用率は簡単に算出できます。

クーポン券とコードのそれぞれの使用率を比較すれば、その次のクーポン配布時にどちらに力を入れるべきかなどの参考になるでしょう。

レスポンスが数値化できると目標が立てやすくなり、その目標がどれだけ達成できたかも分かりやすくなります。

次回のプロモーションやマーケティングを展開するための参考にもでき、より効果的に宣伝・販売活動ができるようになります。

ダイレクト・マーケティングのメリット3|コストカット

ダイレクト・マーケティングを活用すれば、店舗がなくとも商品・サービスを販売できるようになります。

その結果、人件費や店舗の維持管理にかかる諸経費をカットしつつ、事業を続けることが可能になります。

もちろん、DM、電話・FAX、EメールやSNS、どれを活用するにしてもある程度の費用は必要です。

特にテレマーケティングを行う場合は、オペレーターの人件費やコールセンターの整備などにまとまったコストが必要になるでしょう。

こういった場合はテレマーケティングの専門会社に外注・業務委託してコストを抑える方法があります。

店舗維持のコストに頭を悩ませているのであれば、ダイレクト・マーケティングを活用した販売方法にシフトできないか検討すると良いでしょう。

ダイレクト・マーケティングのメリット4|事業拡大の可能性

費用対効果が高く、レスポンスを数値化してPDCAが回しやすくなり、コストカットもできる。

このようなメリットがあるダイレクト・マーケティングを活用できれば、事業の規模をより拡大していける可能性があります。

今までは、事業を拡大するためには顧客数や客単価を増やさなければならず、そのためには営業や店舗での接客担当者の数や質を上げる必要がありました。

しかし、スタートアップの企業や中小規模の企業の中には、営業・接客担当者を増やしたくともその余裕がない場合もあります。

人員は増やせないけれども、事業は大きくしていきたい。こう考える企業にとっては、ダイレクト・マーケティングはぜひ活用していきたい宣伝・販売方法のひとつです。

ダイレクト・マーケティングの注意点

ダイレクト・マーケティングのメリットに引き続き、注意点を3つ紹介します。これらの注意点をしっかり抑えて、より効果的なダイレクト・マーケティングを計画・実行していきましょう。

ダイレクト・マーケティングの注意点1|投資の回収に時間がかかる

ダイレクト・マーケティングは、投資を回収するまで時間がかかります。

ダイレクト・マーケティングにおいては、まず、ユーザーのリストを作成する手間や、DMの印刷やメールマガジン配信システムの契約などの費用が必要です。

さらに、PDCAサイクルを回して費用対効果を上げていくという特徴上、最初から高い効果が得られるとは限りません。

初期投資を回収できるだけの費用対効果を得るには、時間をかけて試行錯誤を繰り返す必要があると考えるべきです。

ダイレクト・マーケティングに取り組むときには、一定の成果が出るまでに時間がかかることを前提にしましょう。

長期的な計画を立て、じっくりとユーザーとコミュニケーションをとることが重要です。

ダイレクト・マーケティングの注意点2|ターゲットごとに手法を変える

ダイレクト・マーケティングは、ターゲットに合わせて手法を変えなければいけません。

ダイレクト・マーケティングの方法は複数ありますが、どの方法が効果的かは年代や性別によって異なります。

また、SNSマーケティングの場合は、同じ広告をFacebook、Twitter、Instagramに出稿したとしても同じレスポンスが得られるとは限りません。

同じ年代・性別のユーザーでも、使用しているSNSによって好意的に受け止める表現が違う可能性があります。

広告投資をする場合は、ターゲットが好むメディアだけでなく、そのメディアのユーザーの特徴も考えると良いでしょう。

ターゲットとメディア両方に合わせた、きめ細やかな手法を取ることが求められます。

ダイレクト・マーケティングの注意点3|広告の劣化

ダイレクト・マーケティングでは広告が「劣化」することも、注意しておかなければいけません。

よい反響を集めた広告が、いつまでも高い反応を獲得し続けるとは限りません。広告の表現そのものがユーザーに響かなくなることもあります。広告を出したメディアのユーザー数が減ることもあります。

例えば、以前は日常的にメールを利用している人が多くいました。しかし現在は、メールよりもLINEやSNSのDM機能を利用する人が増えています。

かつては良いレスポンスを集めたメール広告も、今はそれほど良い反応を得られないでしょう。

ユーザーの反応を見ながら、広告の内容や掲載媒体を継続的にブラッシュアップしていきましょう。

ダイレクト・マーケティング3つの成功事例

実際のダイレクト・マーケティング成功事例を3つ紹介します。どのようなダイレクト・マーケティングをどのように行なったのかを知り、自社のマーケティングに活かせるところはないか学びましょう。

ダイレクト・マーケティングの成功事例1|Amazon

Amazonのダイレクト・マーケティング方法は、大きく3つあります。

・メールによる案内の不定期配信
・会員限定のイベントの開催
・関連商品・購入履歴からのおすすめ商品表示

特徴は、非常にパーソナライズされた案内が配信されることです。最も分かりやすい例は商品ページでしょう。

商品ページでは商品そのものだけではなく、ユーザーの興味・関心に基づいて非常に多くのおすすめ商品が表示されます。

しかも表示される商品はどれも興味・関心をもとにパーソナライズされたものなので、ユーザーにはあまり不快感を与えません。

むしろ購買意欲を刺激するような商品が表示されるので、クロスセル(ついで買い)を促しやすい仕組みになっています。

ダイレクト・マーケティングの成功事例2|Japan Taxi

タクシーの配車アプリである「Japan Taxi」は、アプリを使って乗客とのマンツーマンのコミュニケーションを行なっています。

Japan Taxiでは、ユーザーがどのタイミングでどんな情報やアクションを求めているかを考えてアプリを設計しています。

例えば、配車依頼時には現在のタクシーの位置や降車地までの運賃が表示されます。

乗車中は、目的地に向かうまでにクレジットカードや電子決済情報を紐付けたアプリを使って先に支払いを済ませることができ、目的地到着後はスムーズに降車することができます。

移動手段であるタクシーとモバイル端末であるスマートフォンの親和性の高さを生かした、ユニークな成功事例です。

ダイレクト・マーケティングの成功事例3|ヤマト運輸

ヤマト運輸は、ダイレクト・マーケティングにLINEを活用しています。

活用方法は、LINEのヤマト運輸の公式アカウントに、クロネコメンバーズIDを連携させ、再配達の手続きがLINEのトーク上でできるようにするというものです。

従来、荷物の再配達は不在票を確認し、電話やインターネット、ヤマト運輸の公式アプリを使って依頼していました。この手続きをすべてLINE上にて、簡単なタップや入力をするだけで可能となったのです。

公式アカウントには他にも、「にゃー」と呼びかけると返事の語尾が「~してくださいにゃ」になるという遊びも実装されています。

利便性と親しみやすさを兼ね備えたコミュニケーションツールとして、活用しています。

ダイレクト・マーケティング実行の検討をぜひ

顧客と直接コミュニケーションを取るダイレクト・マーケティングは、少人数・低コストでも活用できる方法です。

顧客一人ひとりに合った丁寧なコミュニケーションを行い、効果的な広告・販売活動を展開していきましょう。

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